進む分業化
今日、高度な電子システムおよびECUソフトウェアの開発を効率的に進めるために、メーカーやサプライヤ、サービスプロバイダ間で分業化が進んでいます。また専門領域の異なる部門間での連携作業に負う部分も増加しています。反復プロセスの多い適合・評価作業は、ECUソフトウェア、システム、車両といった異なる開発レベルで実行されます。これらの作業は、適合エンジニアやテストエンジニアを始め、制御機能開発者、ソフトウェアエンジニア、診断エキスパート、ドキュメントチーム等が関わっています。
全方位対応
適合エンジニアにはECU制御に関する包括的な情報が必要です。適合ツールには、制御パラメータや変数の表示に加え、ソフトウェア制御モデルのグラフィカルな表現、ソフトウェアエンジニアリングの文書化、適合履歴、バスプロトコル情報、その他を処理できる多彩な機能が求められます。これら必要な情報のすべてを、INCAは一目で分かりやすく把握できるように提供します。
オープン性
お客様の開発プロセスや既存のデータバックボーン、ツール環境との統合を図るため、INCAにはオープンなインターフェースやアドオン製品が用意されています。テストベンチやMATLAB®等の外部アプリケーションとの標準的なインターフェースを始め、カスタムアプリケーションをプログラミングするためのCOM-APIインターフェースをご利用いただけます。
適合済のデータは一般に、専用のデータ管理システムに保存されます。同システムとして定評のあるVECTOR社製のeASEE.cdm、AVL 社製のCRETA™、IAV社製のCalGuideに、INCAは対応しています。INCAとこれらのシステム間で、適合プロジェクトや作業の結果・進捗、アクセス権等のやりとりを円滑に行うことができます。
トレンド
適合・評価の現場では、プロトタイプECUやテストベンチ、試験車両等のリソースに関して圧力が増しています。コスト削減、開発期間の短縮、品質向上等の厳しい課題に対処するため、開発プロセスには効率化が常に要求されています。後追い対策を極力減らし、開発初期の段階でさまざまな問題を改善するため、前倒し(フロント・ローディング)や自動化の手法が求められています。