データ収集と処理
車両データを収集し、解析を行い、可視化することは、今日のモビリティおよび未来のソフトウェアデファインドビークル(SDV)の開発や運用にとって重要です。ETASのツールは、車両から収集した大量のデータから本当に必要な情報を体系的かつ効率的に抽出します。
ETASでは、ECUや内部ネットワーク、車載バス、センサなどの車両のさまざまな場所から、あらゆる種類のデータを損失なく収集する高性能なハードウェアとソフトウェア製品を提供しています。「ECUから必要なデータを完璧に取り出す」ことは、ETASのDNAとも言える技術です。
ETASの製品とソリューションを使用することで、お客様は新型モデルやモデルチェンジなどの多様なバリエーションに合わせ、自動車に搭載する機能を最適化し自動車の価値を永続的に高めていくことができます。当社の高度な専門知識と豊富な経験から生み出された、データ損失がない(ロスレス圧縮技術を採用した)高性能かつ高品質な製品によって、お客様は差異化を実現していくことができます。
データ収集とデータ処理を最適化する製品群:
ADAS / AD向け計測ソリューション
ETASでは、自動運転レベル2+およびレベル3以上に向けた包括的なADAS/AD計測ソリューションを提供しています。
ETASのポートフォリオには、ハードウェアオープンループ(HoL)再生とフィールド検証にも対応したモジュール型計測ソリューションがあります。既存のテストデータの高速リロードや新しいテストデータの要求や記録を簡潔にするオープンでDevOpsサイクルに完全に統合されたソリューションを目指しています。詳しくは、自動運転向け計測ソリューションをご覧ください。
ソリューションモジュール:
ミドルウェアの内部データを車両や実験環境で計測するために設計された、先進運転支援システム(ADAS)、高度自動運転(HAD)開発向けの強力な自律走行制御ユニット(ADCU)測定・リプレイデバイスです。
制御ユニットへの干渉を排除し、センサインターフェース(TI FPD-Link III、TI FPD-Link IV、Maxim GMSL2など)と直接接続して、カメラのセンサから出力されるデータなど、センサからの生データの高性能測定および再生を実現することで、自律走行アプリケーションの効率的な開発、テスト、検証を可能にします。
ADASが生み出す大量のデータを無損失(ロスレス)圧縮するスケーラブルなデータ記録ソリューションです。シンプルなソフトウェアベースのロギングから高性能のハードウェアベースのロギング機能まで対応しています。
さまざまな種類のセンサデータやECUおよび記録装置から直接取得したデータを、記録、管理するためのプラットフォームに依存しない管理システムです。計測環境に容易に統合でき、ユースケースに合わせて拡張もできます。
モーションの計測と適合(M&C)
ICEは電動パワートレインに広く置き換えられていますが、計測と適合のユースケースは今後もあらゆるタイプのパワートレインに必要です。モーションの領域では、車両適合の焦点は排出量から効率性に移っており、複雑さ(つまり作業負荷)は、同等かそれ以上です。
当社のデータ収集および処理ツールは、使用されるテクノロジーに関係なくあらゆるタイプのパワートレインに対応し、継続的な開発により将来の要件にも対応します。
さらに、ETASはEV固有の機能を提供することで、EV化への変革を支えます。
計測と適合(INCA)
車載電子システムの適合、診断、評価のために、ETASは汎用性の高いINCAソフトウェア製品を提供しています。INCAツールは、ECUの開発とテストだけでなく、車両、テストベンチ、またはPC上の仮想環境における電子制御システムの検証と適合にも使用されます。 PC上での機能モデルの事前適合、ECUフラッシュプログラミング、計測データ解析、適合データ管理、ECUパラメータの自動最適化など、幅広い機能を提供します。
ECUアクセス(ETK、ESxxx)
高度な測定および適合アクセスは、機能の開発と機能パラメータの適合に不可欠な前提条件です。
ETASが提供するEthernetベースのFETK、XETKのインターフェースを使用すると、パラレルのデータ・アドレスバス経由、あるいはシリアルマイクロコントローラインターフェース(テスト用またはデバッグ用)経由でECUの計測変数と制御パラメータに直接アクセスできるようになります。
バスアクセス(ESxxx)
車両バスにアクセスすると、ECU間の通信を監視し、分散機能が正しく動作することを確認できます。
多種多様な車両バスインターフェースモジュールを使用して、あらゆる重要な車両バスシステムにアクセスでき、またECUから計測されたデータやアナログデータとの正確な時刻同期が行えます。
データ分析(MDA、EATB)
ECU開発の過程では、さまざまな状態の適合データと参照している測定データを比較する必要があります。
ETAS MDA(Measure Data Analyzer)計測データ分析ツールを使用すると、計測データの表示や処理、分析、文書化が可能です。
実稼働開始後のデータ処理とシャドウモード:
オープンワールドの問題に対処するには、フィールドベースのデータが必要です。
SDV DevOpsサイクルは、量産車両からのフィールドデータに基づいています。
ETASはフィールド検証ソリューションのアプローチにより、フィールドデータの収集と、フィールドでの機能検証を可能にします。
フィールド検証(FVA)
リリースされたアクティブな機能と、最適化のために開発中の同じ機能を実稼働システム上で同時に実行すると、これら2つの機能の結果を比較し、結果をバックエンドに送信してさらなる分析を行うことができます。開発中の機能はシャドウ領域で実行され、実稼働システムに影響を与えることなく、センサ入力に関して数回の反復で最適化できます。
ETASが提供するソフトウェア開発キット(SDK)は、ターゲットシステムへの干渉のないデータアクセス、交換可能な実行可能ファイル、構成、記録と監視などの機能を備えています。