2019/2020号

国民大学とのコラボレーションに成功

Formula Student racecar Kookmin University
フォーミュラSAEに意欲を燃やすKORA

ETASとETAS ASCMOのサポートを受けた国民(クンミン)大学が、韓国自動車技術者協会(Korean Society of Automotive Engineers)が主催したレースカーデザイン競技会のフォーミュラ部門で優勝しました。

専門分野の実践的教育を目標に掲げる韓国の国民大学は、国内トップクラスの自動車工学部の発展のために力を注いでいます。 2014年には自動車IT融合学科を創設し、コンピュータプログラミングや電気/電子技術のほか、動力学、熱力学、静力学などの基礎力学の知識を兼ね備えた未来志向の人材の育成を目指してきました。

ETAS Koreaは国内の自動車業界の進歩に貢献すべく、2014年に国民大学とのMOU(予備的合意書)に署名しました。それ以来、同校にLABCAR、ETAS ASCMO、AUTOSARのソリューションポートフォリオを提供するなど緊密なコラボレーションを続けています。 2018年には、ETAS ASCMOによるコラボレーションが目に見える成果をもたらしました。ETASの支援により国民大学の学生たちは、国内外のレース大会でETAS ASCMOを活用したのです。国民大学の自動車工学クラブであるクンミンレーシング(KORA)チームが参加したのは、KSAE(韓国自動車技術者協会)フォーミュラと、フォーミュラSAE(Formula Society of Automotive Engineers;略称FSAE)の大会でした。SAEが主催するFSAEは世界最大の学生エンジニアリング競技会です。FSAEでは性能とエネルギー効率の両方が判定材料となるので、エンジンの適合では 最大エンジントルクの最適化とBSFC(ブレーキ固有の燃料消費量)の最小化を同時に行うことが重要になります。

KORAは計測データをもとにETAS ASCMOでモデルを作成した後、サイクル最適化に進み、噴射時間、噴射タイミング、点火進角のそれぞれの適合マップをECUマップのサイズに合わせて抽出しました。 そして、それらのマップを適用し、評価とテストを実施しました。競技会の2週間前には大邱の性能試験場で評価試験が実施され、最適化されたマップを用いたケースでは、走行距離11 kmにおいてラップタイムを最大4秒短縮でき、燃費は0.1リットル節減できることが証明されました。こうしてETAS ASCMOで最適化した適合マップを使ったマシンは、2018年8月のKSAEフォーミュラ大会におけるフォーミュラ部門でみごと優勝。2018年5月のFSAEでも、2017年には11位だった加速部門で第三位入賞を果たしたのです。

執筆者

Wonseok Chang、ETAS Korea Co., Ltd.
フィールドアプリケーションエンジニアスペシャリスト

Youngeun Kim、ETAS Korea Co., Ltd.
マーケティングコミュニケーションマネージャ

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