2019/2020号

クラウド上の仮想ECU

期待されるETAS ISOLAR-EVEとCOSYMの連携

ISOLAR-EVEの登場によって極めて実物に近いECUシミュレーションがPC上で行えるようになり、早くも数年がたちました。 最新のバージョン3.3.1にはクラウド上で仮想ECUを実行する機能が加わりました。COSYM統合プラットフォームと、車両通信ネットワークのシミュレーション機能を利用して、複数の仮想ECUを一つの完全なシステムとして検証できます。 このことは仮想テスト走行の際、非常に大きな利点となります。ネットワーク通信を含めた完全なシステムの現実的な検証を、初期段階で、特定のハードウェアに依存せずに行えるようになったのです。 AUTOSAR準拠ソフトウェアと非AUTOSARアプリケーションコードを組み合わせて用いる場合でさえ、車載コンポーネントの物理的コシミュレーションとECUネットワークのシミュレーションを同時並行的に、効率よくスケーラブルに実行することができます。

ISOLAR-EVE担当プロダクトマネージャのDominik Feilは次のように語っています。「新バージョンのISOLAR-EVEは、COSYMとの併用によってECUネットワークの分散開発に新しい可能性を切り開きます。このコンビネーションは、コストを大幅に削減しながらより迅速に製品の完成度を高める取り組みに貢献するものです。」

執筆者

Jürgen Crepin, ETAS GmbH
シニアマーケティングコミュニケーションマネージャ

テスト走行キロ数が6~7桁となる領域においては、「仮想化」が課題の克服や効果的なプロジェクト策定の鍵となる
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