EHANDBOOK Container-Build

EHANDBOOK Container Buildを使用すると、OEM企業やtier1サプライヤはソフトウェアドキュメントをEHANDBOOKコンテナという形で共有することができます。このマルチコンテナ対応のシステムにより、OEM企業やtier1サプライヤが作成するECUソフトウェアドキュメントが補完的に組み込まれ、完全なドキュメントとして提供、配布、使用することができます。EHANDBOOK-NAVIGATORツールは、複数のEHANDBOOKコンテナをまとめて1つのユニットにします(マルチコンテナ対応)。適合エンジニアはMDAやINCAインターフェースを用いて、実験内の計測変数や特性変数にドキュメント内からアクセスしたり、反対に実験内の計測変数や特性変数からドキュメント内にアクセスしたりできます。

EHANDBOOKは、異なる場所に格納されたECUソフトウェア開発や計測/適合ツールに関するドキュメントを構造的に管理します。

EHANDBOOK Container-Buildは、さまざまなフォーマットやバージョンからなる、異なるソースの情報を、標準のEHANDBOOKフォーマットにまとめます。これにより、複数のユーザーが使用する文書をすべて構造的に表示することができます。EHANDBOOKコンテナ内には、テーブル、説明文、ASCET/MATLAB®/Simulink®/Cコード用のインタラクティブモデルといったさまざまな形態のコンポーネント、および検索用の索引が格納されています。この索引を使用すると、迅速かつ的確な検索によってソフトウェアファンクションの具体的な情報を容易に探し出すことができます。

Container-Buildのツールとサービス

EHANDBOOK Container-Buildは、お客様固有の文書作成プロセスに容易に統合させることができます。継続的デリバリーや継続的デプロイが求められるビルド環境にも対応しています。ソフトウェア開発者は ECUソフトウェアのドキュメント全体を確実に自動生成することができます。お客様がEHANDBOOKに容易に切り替えられるように、ETASではContainer-Buildをエンジニアリングサービスとしてソフトウェア開発環境に統合することをご提案しています。

EHANDBOOK Container-Build Toolbox for Simulinkは、Simulink環境から直接EHANDBOOKコンテナを自動生成するための手法に特化して開発されたものです。

さまざまなソースのドキュメントを統合

EHANDBOOK-NAVIGATORではさまざまなソースのEHANDBOOKコンテナを統合することができるので、システムの各部を統合して全体を総合的に把握することができます。

インテリジェントなデータ準備

EHANDBOOK Container-Buildでは、ECUソフトウェアのドキュメンテーションに関連するさまざまなソースからの情報(ASCETやMATLAB®/Simulink®のモデルと説明文など)を統合することができます。情報は相互にリンクされ、補足され、索引が付けられます。Container-Buildプロセスはファンクションや計測/特性変数に関するメタデータ をさまざまなソースから収集して、中央のデータベースに格納します。このメタデータを使用すると、ファンクション間の結び付きを割り出して、個々のエレメントに関する詳細情報をテキストで、またはモデルに直接表示することができます。

Cコードもインタラクティブなグラフィカルモデルに変換

各開発段階で保存されたさまざまなフォーマットのデータを関連付けるために、Container-Buildツールには各種のコンバータが備わっています。たとえば、ECUドキュメントをXMLフォーマットで交換するために開発されたASAMフォーマット(FSX、MDX、CCX )に加え、RTFフォーマットの画像とテキスト、XLSフォーマットのモデルインターフェース記述を処理することができます。また、Container-Buildツールでは、ETAS ASCETおよびMATLAB®/Simulink® のファンクションモデルやCコードをインタラクティブなグラフィカルモデルに変換することができます。

インタラクティブなモデルに加え、EHANDBOOK Container-Buildにはモデルから自動的に直接スクリーンショットを取り、テキストコンテンツを作成することができる機能が備わっています。ツールが統合されているので、クリック操作でスクリーンショットを選択すると、該当するテキストを容易に探すことができ、後工程でEHANDBOOK NAVIGATORに利用することができます。さらに、必要に応じてすべての依存関係を表示したグラフィカルな機能図を自動的に出力することも可能です。

ノウハウを保護する機能も装備

著作権の権益を保護するために、インプリメンテーション固有の情報は変換の過程でソースデータから削除されます。このことから、EHANDBOOKは自動車メーカーとサプライヤの共同プロジェクトで開発されるソフトウェアのドキュメンテーションに特に適しています。複数の会社が協力する場合は、各社のソースコードを知的所有財産として保護する必要があります。

EHANDBOOKコンテナに含まれるのは、ソフトウェアやファンクション開発ツールの標準モデルではなく、それらのモデルのグラフィカル表現だけです。モデルのグラフィカル表現は、コード生成に適していません。またソフトウェア開発ツールで処理することもできません。このため、EHANDBOOKドキュメンテーションを使用する際は、ASCETやMATLAB®/Simulink®などのような製品のライセンスは必要ありません。

利点

  • さまざまなソースのドキュメントを統合
  • Cコードもインタラクティブなグラフィカルモデルに変換
  • モデルをクリックすることでスクリーンショットや機能図を作成できるグラフィックジェネレータを搭載
  • ドキュメントを自動生成
  • お客様固有の開発環境に統合
  • 入力データのインテリジェントな準備とリンク
  • ノウハウの保護