ES920はBOSCH E-Ray IP通信コントローラを搭載しており、2つのFlexRayチャンネルを持つ1つのFlexRayノードになります。ES920はFlexRay仕様V2.1に準拠し、FlexRay適合性試験(ISO 9646)の品質基準に適合しています。これに付随するバスドライバはPhilips TJA1080モジュールです。ES920モジュールは、ファームウェア更新により将来バージョンのFlexRay仕様にも容易に適合できます。
ES910/ES920の設定はINTECRIO や INCA上で行います。INTECRIOとES910/ES920モジュールを使用すると、実験室や実車での新規ECUファンクションの妥当性確認を短期間で容易に行うことができます。制御モデルおよび制御機能がオンボードで設定されると、ES910モジュールは統合されたRTA-OSEK オペレーティングシステムの下で稼働します。この高性能のES920 FlexRayモジュールとの連携により、FlexRayバス上で、要求の厳しいリアルタイム条件下の実験を行えるようになります。データ処理用のPCは必要ありません。
ES910/ES920モジュールをINCAとともに使用すると、XCP-on-FlexRayプロトコルおよびFlexRayバスのモニタリングを使用するECU適合にも対応できます。
主な特長
- 2つのFlexRayチャンネルを持つ1つのFlexRayノード。ES910.2およびES910.3プロトタイピング・インターフェースモジュールのレイテンシを最小化
- 自動車用制御機能をFlexRayバス上でラピッドプロトタイピング
- XCP-on-FlexRayによるECU適合
- FlexRayバスのモニタリング
- INTECRIO V2.1、ASCET-RP V6.2.1、INCA V6.2.1およびINCA-ES900 V6.2.2以降によるサポート
- Philips TJA1080バスドライバ
- BOSCH E-Ray IPモジュール(FPGAベース)搭載のFlexRay通信コントローラ
- FlexRay仕様V2.1およびFlexRay適合性試験(ISO 9646)に適合
- FlexRayクロックサイクルのサイクル、セグメントおよびタイムスロットレベルで割込みを生成
- 機器グラウンドおよび電源からチャンネルを電気的に絶縁
- FlexRayバスとのインタラクションを示すLED
- FlexRay経由のウェイクアップ
FlexRay bus
ES920 FlexRayモジュールは、FlexRayクロックサイクルのサイクル、セグメント、およびタイムスロットレベルで割込みを生成します。この機能により、ファンクションのプロトタイプをFlexRayバスと確実に同期させることができます。
FlexRayバスとES910シミュレーションコントローラの間のデータスループットを最適化するために、ES920 FlexRayモジュールにはオンボードプリプロセッサが搭載されており、シミュレーションコントローラに依存せずに、FlexRay通信を処理します。信号の復帰間隔(FlexRay信号がES910モジュールに入力されてからバスに出力されるまでの経過時間)は100ミリ秒未満です。50秒という静的セグメントに分布する典型的なタイムスロット幅の場合、ES910モジュールはメッセージを受信したFlexRayサイクル内のわずか数タイムスロット後にレスポンスを発信することができます。