ASAP2 – "OFFLINE_DATA"のダウンロードの無効化
ECUデータの一貫性を保つことが重要なメモリセグメントは、OFFLINE_DATAというプログラムタイプのメモリセグメントとして定義します。これらのメモリセグメントにおいては、オフライン適合した値をすべて一括してダウンロードして、同時に書き換えます。
マルチコアを備えた新しいタイプのECUにはアプリケーションデータ付きのメモリセグメントが定義され、アクセスできないようになっている場合があります。この場合、アプリケーションはオフラインでのみ動作し、ダウンロードも許可されません。変更はすべてフラッシュ書き込みで適用される必要があります。新しいETAS INCAでは、このようなアプリケーションのOFFLINE_DATAパラメータに対応するため、ROMメモリタイプがサポートされるようになりました。メモリタイプ別の変数を以下に示します。
ASAP2 – MDFファイルへのSYMBOL_LINK情報の保存
サービスパック9から、INCAはMDFファイルに変数のSYMBOL_LINK情報を保存するようになりました。これらの情報は、MDA V8においてシグナルエクスプローラなどに表示されます。
COM-API – CUBOIDのサポート
CUBOIDタイプの変数は、COMインターフェースを使用して遠隔アクセスできるようになりました。変数のデータは、エディタ画面に以下のように表示することができます。
PRoF – 最大255メモリセグメントへのフラッシュ書き込み
今までのPROFは、PROF用CNFファイルに最大20までのメモリセグメント定義をサポートしていました。サービスパック9からは、すべてのメモリセグメント定義に対して最大255のセグメントを定義します。
- DEST_MEM_AREA
- SOURCE_MEM_AREA
- ERASE_MEM_AREA
この新機能についてはPRoFドキュメンテーションをご参照ください。
ECUおよびバスインターフェースモジュールES886 – INCA統合
ES886モジュールは、車載イーサネットへのダイレクトアクセスを実現し、SOME/IPプロトコルをサポートする最新のECU/バスインターフェースです。
INCAはES886の以下のインターフェースをサポートします。
- 1000Base-T ギガビットホスト/PCからINCAへの接続 x 1
- 100Base-T ファーストイーサネット(従来のETASデバイス用)x 1
- 100Base-T1 車載イーサネット(BR_XETK x 3) x 4
- 1000Base-Tギガビットイーサネット(ES8xxシリーズ以降のETASデバイス用)x 1
- CAN/CAN-FD x 5
- LIN x 1
VNモジュールのCAN-FDサポート
サービスパック9より、INCAはVector社製VNモジュールのCAN FDをサポートします。
- VN1610
- VN1611
- VN1630/VN1630A
- VN1640/VN1640A
- VN8970