V7.2 Service Pack 9の機能

ASAP2 – "OFFLINE_DATA"のダウンロードの無効化

ECUデータの一貫性を保つことが重要なメモリセグメントは、OFFLINE_DATAというプログラムタイプのメモリセグメントとして定義します。これらのメモリセグメントにおいては、オフライン適合した値をすべて一括してダウンロードして、同時に書き換えます。

マルチコアを備えた新しいタイプのECUにはアプリケーションデータ付きのメモリセグメントが定義され、アクセスできないようになっている場合があります。この場合、アプリケーションはオフラインでのみ動作し、ダウンロードも許可されません。変更はすべてフラッシュ書き込みで適用される必要があります。新しいETAS INCAでは、このようなアプリケーションのOFFLINE_DATAパラメータに対応するため、ROMメモリタイプがサポートされるようになりました。メモリタイプ別の変数を以下に示します。
 

ASAP2 – MDFファイルへのSYMBOL_LINK情報の保存

サービスパック9から、INCAはMDFファイルに変数のSYMBOL_LINK情報を保存するようになりました。これらの情報は、MDA V8においてシグナルエクスプローラなどに表示されます。
 

COM-API – CUBOIDのサポート

CUBOIDタイプの変数は、COMインターフェースを使用して遠隔アクセスできるようになりました。変数のデータは、エディタ画面に以下のように表示することができます。

PRoF – 最大255メモリセグメントへのフラッシュ書き込み

今までのPROFは、PROF用CNFファイルに最大20までのメモリセグメント定義をサポートしていました。サービスパック9からは、すべてのメモリセグメント定義に対して最大255のセグメントを定義します。

  • DEST_MEM_AREA
  • SOURCE_MEM_AREA
  • ERASE_MEM_AREA

この新機能についてはPRoFドキュメンテーションをご参照ください。
 

ECUおよびバスインターフェースモジュールES886 – INCA統合

ES886モジュールは、車載イーサネットへのダイレクトアクセスを実現し、SOME/IPプロトコルをサポートする最新のECU/バスインターフェースです。

INCAはES886の以下のインターフェースをサポートします。

  • 1000Base-T ギガビットホスト/PCからINCAへの接続 x 1
  • 100Base-T ファーストイーサネット(従来のETASデバイス用)x 1
  • 100Base-T1 車載イーサネット(BR_XETK x 3) x 4
  • 1000Base-Tギガビットイーサネット(ES8xxシリーズ以降のETASデバイス用)x 1
  • CAN/CAN-FD x 5
  • LIN x 1
     

VNモジュールのCAN-FDサポート

サービスパック9より、INCAはVector社製VNモジュールのCAN FDをサポートします。

  • VN1610
  • VN1611
  • VN1630/VN1630A
  • VN1640/VN1640A
  • VN8970