ETASには自動車アプリケーション用組み込みソフトウェアに要求される高度な専門知識が結集しています。こうした専門知識を用いて、ETASは新世代のAUTOSARシステムに向けて特別にETAS RTA-OS(オペレーティングシステム)を開発しました。
RTA-OSはAUTOSAR OS R4.2、R4.1、R4.0、R3.x規格およびOSEK*/VDX OS V2.2.3規格の両方仕様が実装されており、MISRA Cに完全準拠しています。マルチコアのオペレーションがもたらす課題には、AUTOSARのあらゆる機能を極めて小さいアプリケーションランタイムオーバーヘッドで実装できる、革新的でインテリジェントなアプローチで対応します。RTA-OSを使用できるマルチコアマイクロコントローラは、現時点ではAurix、MPC57xx、RH850、SPC57x、Zynq-7000ファミリなどですが、今後さらに増えていく予定です。
AUTOSARオペレーティングシステムには、メモリ保護とタイミング保護の両方を実現できる強力なインターフェースが備わっています。RTA-OSは、それぞれのOSコンフィギュレーション用に最適化されたCコードを生成する革新的なアプローチにより、OSインプリメンテーションをアプリケーションのニーズに合わせて正確に最適化します。
RTA-OSは、幅広いターゲットハードウェアに対応するとともに、仮想環境用のAUTOSARアプリケーションの開発にも対応しています。アプリケーションをMicrosoft Windows® PC用にコンパイルし実行するために必要なオプションも提供します。また、ETASはETAS ISOLAR-EVEという製品により、MS Windows PCやReal-Time Linux PC上で実行されるAUTOSARに完全に準拠したバーチャルECUもご提供できます。
ETASは安全関連アプリケーションの設計と開発について、2通りのアプローチをサポートしています。1つはASIL-Dまでの安全度水準を満たすRTA-OSコードの生成についてISO 26262認証を取得するアプローチ、もう1つはETAS提供の包括的なRTAエンジニアリング/コンサルティングサービスを利用するアプローチです。
RTA-OSは以下のマイクロコントローラファミリをサポートしています。
- Cypress Semiconductor FR81, Traveo II (CYTxxx)
- Infineon TLE98xx
- Infineon Tricore/AURIX
- NXP i.MX8, i.MXRT
- NXP MPC56xx, MPC57xx, S32Rxx
- NXP S32Gxx, S32Kxx
- Renesas RCar
- Renesas V850E2, RH850E1, RH850E2
- ST Microelectronics SPC56x, SPC57x, SPC58x
- ST Microelectronics STV0991
- ST Microelectronics SR6x7 (“Stellar”)
- Texas Instruments TMS570, OMAP
- Xilinx Zynq-7000, Ultrascale
RTA-OSは上記以外のマイクロコントローラも随時サポートしていく予定です。
詳細につきましては、ETASの担当者にお問い合わせください。
* OSEK(ドイツ語名“Offene Systeme und deren Schnittstellen für die Elektronik in Kraftfahrzeugen”または英語名"Open Systems and their Interfaces for Electronics in Motor Vehicles"の略)はAUTOSARの前身規格です。