ETAS Analytics Toolbox(EATB)は、膨大な量の測定データの素早い検索と、分析・可視化を可能にするレポートツールで、出力結果をシステムの妥当性確認や評価に利用することができます。データは、プログラミング可能なMATLABベースのテンプレートやグラフィカルユーザーインターフェースを介して自動的に分析されます。各種アルゴリズムやチャートが許容範囲に基づいてデータを分析し、構造化されたグラフィカルユーザーインターフェースが、わかりやすく色分けされた対話型レポートを表示します。複雑なシステムを素早く把握することが可能なため、データ分析におけるエラーの発生を最小限に抑えることができ、後工程の効率も向上します。
適用分野
EATBは、膨大な量の測定データ分析を必要とする次のような状況で利用できます。
- ECUソフトウェアの開発
- テストベンチでのシステムテスト
- 路上走行試験の評価
- システムの妥当性確認
- 適合の検証
特徴と機能
適合エンジニアやソフトウェア開発者がETAS Analytics Toolbox(EATB)を使用すると、膨大な量のデータを素早く概観し、偏差を特定することができます。
データ分析には、測定結果の偏差の許容範囲を定義したユーザー定義のテスト基準を使用することも可能です。これらの基準はテンプレートとして保存することができます。
レポートにはグラフィカルユーザーインターフェースが用いられ、結果は交通信号の色で表示されます。正しく適合されたパラメータは緑色、限界値からの偏差が基準範囲内にあるものは黄色で表示されます。偏差が指定範囲を超えたものやテンプレートに定義されていないものについては、赤色になります。
領域内の1か所でも基準範囲を超過した場合はその領域全体が赤色で表示されるので、詳細な故障解析を行うべき対象を一目で特定できます。
この対話型レポートは中央のウェブサーバーに保存することができ、プロジェクトの各メンバーは、標準的なウェブブラウザ(モバイルデバイスを含む)を用いてさまざまな場所から同じデータセットに同時にアクセスすることができます。レポート履歴には、すべてのレポートのレコードが含まれます。
テンプレートも中央のウェブサーバーに保存されるため、すべての開発エンジニアがテンプレートライブラリを共有して活用することができます。作成したテンプレートの再利用は作業時間の短縮につながり、時間が経つに連れて蓄積されていく知識をさまざまなエンジニアリングチームが活用することが可能になります。
利点
- 膨大な量の測定データを自動で高速処理
- 瞬時に分析を実行し、開発の労力を削減
- 複数のプロジェクトメンバーが同時にアクセス可能
- 交通信号の色分け表示により多くのレポートを一目で概観できる
- 単一のツールでさまざまな開発段階のデータを分析
- カスタム設計されたシステムの妥当性をテンプレートに基づいて検証
- オープンなシステムにより独自のテンプレートを統合可能
- 構造化されたカスタマイズ可能な対話型レポートにより、的確な評価が可能
- エラーを特定し体系的に分離可能 - 章やセクションに振り分けられたレポートを深く掘り下げて分析できる
- 文書化要件を順守
- 経営陣による意思決定に用いることができる優れたレポート
- トレーニングと各種ユーザードキュメント
- 社内での知識ベースの蓄積