ETASライセンスサーバが11.11.1 から 11.15.1にアップグレード
ETASソフトウェアを使用するには、ETASライセンスサーバを更新する必要があります。この変更はマシンベースのライセンスには影響しません。他のソフトウェアベンダーのライセンスサーバは、このアップグレードによる影響を受けません。
アップグレードの目的は、FlexeraによるETASライセンスサーババージョン11.11.1のサポート終了に対応するためです。Windows Server 2016は引き続きサポートされます。バージョン11.15.1以前のETASライセンスサーバは、新しいETAS License Manager(LiMa)バージョン1.7.xと互換性がありません。
インストールされているETAS License Managerのバージョンが1.6.x以前であれば、INCAバージョン7.2のService Pack 11は、ETASライセンスサーババージョン11.11.1をサポートします。
INCA 7.2 SP12などのETASソフトウェアツールをLicense Managerバージョン1.7で使用する場合、新しいバージョンが必須となります。早めのアップグレードをお勧めします。
新しいライセンスサーバは、ETASダウンロードセンターから無料でダウンロードできます。詳細な技術情報も、ダウンロードセンターから入手可能です。技術的なお問い合わせはこちらまでお願いします。www.etas.com/hotlines
VSD – 未選択変数用フィルタ
INCA 7.2 SP11では、“変数の選択”ダイアログボックス(VSD)に、未選択の変数を表示するためのフィルタが加わりました。点線で囲まれた四角いアイコンを押すと、現在実験に割り当てられていない変数と、現在ダイアログボックス内で選択されていない変数のみが表示されるので、特に変数の数が多い場合に、目的の変数が見つけやすくなります。
VSD – 列ソート機能
選択可能な変数の情報を分かり易く表示するため、INCA 7.2 SP11では左端の4つの列でもヘッダをクリックすることによりソートできるようになりました。変数は、データタイプ、測定変数、適合変数、書き込み・読み取りアクセスといった項目でソート可能です。
XETK – ラスタチェックの詳細表示(Distab 13)
INCA 7.2 SP11では、変数選択画面で、XETKのラスタ使用量が詳細に表示されるようになりました。画面上の緑色は任意の測定値が追加できることを示しています。
黄色の場合、測定値を一定の制限のもとで追加できます。赤色の場合、ラスタにこれ以上測定値を追加できません。
FETK – エイリアス名のサポート
INCA 7.2 SP11から、FETKにエイリアス名を割り当てて簡単に識別できるようになりました。複数のFETKを使う場合には、この機能が役立ちます。空白のワークスペースからハードウェアを検索する際に、正しいプロジェクトファイルを割り当てることができます。またECUが設定済みのポートに接続されているかどうかを確認することもできます。新しくなった各種ダイアログウィンドウでは、ある操作がFETKにどう影響するかが視覚的にわかるようになりました。すでに接続されたFETKの割り当てには対応していません。
ES582/ES584 – エイリアス名のサポート
ES582とES584にエイリアス名を割り当て、簡単に識別できるようになりました。複数のES582/ES584を使う場合には、この機能が役立ちます。ハードウェアを検索する際に、正しいプロジェクトファイルを割り当てることができます。またECUが設定済みのポートに接続されているかどうかを確認することもできます。新しくなった各種ダイアログウィンドウでは、ある操作がUSBデバイスにどう影響するかが視覚的にわかるようになりました。ES583.1およびES581.xはエイリアス名をサポートしていません
EIP – 最大64キロバイト(8バイト)の配列をサポート
INCA 7.2 SP11より、INCA-EIPアドオンで最大65,536個の要素を含むE-TARGETの配列をサポートするようになりました。この条件はバーチャルプロトタイプを除くMEASUREMENT配列とPARAMETER配列に適用され、MEASUREMENT配列の場合は複数のスカラ変数として扱われます。
INCA-EIPは、各配列の最大サイズがこの制限内に収まるかどうかをチェックします。実験環境において、PARAMETER配列は複合エディタで表示することができます。
EIP – E-TARGETで扱えるラスタごとの測定変数は最大15,000
従来、INCA-EIPでは、ラスタごとに計測できる測定変数(ラベル)の最大数が制限され、たとえばES910ではラスタあたり2,000ラベルしか扱えませんでした。
この制限が拡大され、各E-TARGETの仮想プロトタイプにおいて扱える最大数はES910.3では15,000ラベル(2Mバイト)、ES830では1,500ラベル(8Mバイト)、RT-PRO PCでは15,000ラベル(32Kバイト)になりました。利用可能なL1バッファはE-TARGETソフトウェアに依ります。INCA-VSDで実際に利用できるサイズは、オンラインラスタチェックの際に決定されます。
CDM – インラインエディタによるデータ比較
INCA 7.2 SP11では、CDM(適合データマネージャ)にインラインエディタの機能が導入され、2つのデータセット内の同じ適合変数の値を一目で比較できるようになりました。CDMのオプションでエンベデッドエディタを有効にしておく必要があります。
右クリックで”インライン比較”オプションを選択すると、対象データがマークされます。
選択したパラメータの比較元のデータセットと比較対象のデータセットの値は、画面下のウィンドウに表示されます。下のラインが元のデータ、上のラインが比較対象のデータを示しています。違いは色で示されます。青い三角は元のデータ値が比較対象のデータ値よりも低いことを示します。赤い三角は元のデータ値が比較対象のデータ値よりも高いことを示します。
XCP V1.3 – 時刻相関/時刻同期
XCP V1.3/V1.4/V1.5を使用することにより、ETASの同期メカニズムをサポートしないハードウェアデバイス間の時刻相関("Time Correlation")と時刻同期("Time Synchronization")の機能を向上させることができます。
IEEE1588/PTPをサポートするサードパーティハードウェアは、グランドマスタクロックへの同調と同期を行います。INCA 7.2 SP11では、この機能をサポートするようになりました。
INCAはクロックディスクリプションを常にECUから取得し、A2Lファイルからは取得しません。
INCAはXCP仕様書に記述されたシナリオ3に基づいて時刻相関と同期をサポートします。
MCE –XETK/FETKのマッピングを視覚化
INCA-MCEは様々な入力装置をサポートしています。XETKとFETKについては、ES910.3との接続をマニュアル作業で割り当てる必要があります。HWCウィンドウを使用すると、FETK/XETKの青丸アイコンの前に赤や緑の三角のアイコンが表示され、XETK/FETKとES910との設定状況を視覚的にとらえることができるので、マッピングダイアログボックスを開くことなくコンフィギュレーションの進捗を確認することができます。
AUTOSAR – コンテナI-PDUに対応したCAN/CAN-FD/FlexRayモニタリング
INCA V7.2 SP11では、AUTOSARバージョン4.3.1で新たに導入されたキーワード“NO-HEADER”に対応しました。従来のヘッダタイプであるSHORT-HEADERとLONG-HEADERに加え、INCAでは“NO-HEADER”タイプをサポートします。NO-HEADERタイプのコンテナPDUは、コンテナPDU内においてPDUを静的に定義する必要があります。
INCA-MIP & INCA-SIP – MATLAB 2018Bをサポート
INCA-SIP (Simulink® Integration Package)アドオンとINCA-MIP (MATLAB® Integration Package)アドオンが、V7.2 SP11よりMATLAB 2018 Bに対応しました。
AUTOSAR – FlexRay モニタリングがAUTOSAR V3.2.xに対応
FlexRayモニタリングが、V7.2 SP11よりAUTOSARディスクリプションファイルV3.2に対応しました。
SUPPORTシェル – “Support”シェルがお客様に特化したサポートを表示
V7.2 SP11より、ETASサポート情報内にお客様に特化した情報を追記できるようになりました。C:\ProgramData\ETAS\{toolname}\SupportInfo\内にCustomerSupport.rtfファイルを保存すると、その内容がETASサポート情報内に表示されます。RTFファイルはプレーンテキスト、ハイパーリンクのどちらも含めることができます。