ASCMOファミリは、基本製品のASCMO-DESKと3つの主要製品であるASCMO-STATIC、ASCMO-DYNAMIC、およびASCMO-MOCAで構成されています。アドオンによって、特定のタスク向けの機能を拡張できます。このような製品モデルの利点の1つは、ご希望のASCMO製品を自由に組み合わせることができることです。そのため、特定の作業分野にまさに必要となっている機能を活用できます。
ASCMO-DESK – 共通インターフェース
ETAS ASCMO-DESKはASCMOファミリの基本製品であり、ASCMO-STATIC、ASCMO-DYNAMIC、およびASCMO-MOCAの基盤となる共通インターフェースとして機能します。また、運転サイクルの管理と計算、散布図の表示、および適合データの編集に役立つツールも含まれています。
ASCMO-STATIC – 定常挙動のモデリング
ETAS ASCMO-STATICを使用すると、複雑なシステムの定常挙動をモデリングしたデータベースのモデルを作成できます。ASCMO-STATICには、システムの挙動を可視化、解析、および最適化するための豊富な機能やオプションが用意されています。また、DoEの手法(Design of Experiments:実験計画法)に基づいた実験計画の作成に使用することもできます。
ASCMO-DYNAMIC – 動的挙動のモデリング
ETAS ASCMO-DYNAMICを使用すると、複雑なシステムの動的/過渡的挙動をモデリングしたデータベースのモデルを作成できます。ASCMO-DYNAMICには、システムの挙動を可視化および解析するための豊富な機能やオプションが用意されています。また、DoEの手法(Design of Experiments:実験計画法)に基づいた実験計画の作成に使用することもできます。
ASCMO-MOCA – モデルパラメータを最適化
ETAS ASCMO-MOCAを使用すると、物理ベースのモデルにおいて、特性マップや特性曲線などに基づいてパラメータの効率的な最適化を容易にできます。モデルは、数式をツールに入力するか、Simulink®、FMU、TSim Plugin またはASCETモデルとしてリンクさせることができます。
ASCMO主要製品の各機能は、特定のタスクに対応するよう下記のアドオンを使用して拡張することができます。これらのアドオンは、特定のまたはすべての製品を補完します。互換性のあるASCMO製品は、それぞれのアドオンの近くに表示されている画像で示しています。
ASCMO-GO (Global Optimization)
ASCMO-GOは、ASCMO-STATICに実装されている最適化手法を拡張するためのアドオンであり、エンジンの全動作範囲を考慮した最適化が行われます。これにより、たとえば特性マップのスムージング設定を行い、典型的な運転サイクルを遵守しながら累積排出量や燃費を直接最適化できるようになります。
ASCMO-MCI (Model Compression)
ASCMO-MCIを使用すると、モデル作成時のメモリ要件や計算時間の面での複雑さを大幅に軽減できます。高度な圧縮アルゴリズムが使用されているため、目的のモデル精度に必要な基底関数の数を削減することが可能です。また、「シンボリック回帰」に対応するモジュールも備えています。そのため、特殊な方法で任意のシステムの入出力間の機能的な相関を特定することができます。これにより生成されるモデルの多くは単純な数学演算のみで構成された単純かつ効率的なモデルであり、リアルタイム性が重要なシステムで実行できるようになります。さらに、これらのモデルは通常物理的に解釈が可能なため、ECUなどのリアルタイム性が重要な環境で極めて高精度のASCMOモデルを使用することもできます。
ASCMO-ME (Model Export)
ASCMO-ODCM (Online DoE)
ASCMO-ODCMを使用すると、新しいテストに不慣れなエンジンでDoEを計測する際にエンジンやテストベンチに問題が発生するリスクを軽減することができます。ODCMを使用すると、エンジン動作の安定性に関するフィードバックを利用し、違反を制限して、新たな計測を行うごとにDoEのテスト実行を繰り返し、インテリジェントに調整することができます。ODCMには論理コンポーネントが含まれているため、計測を行うにはテストベンチの自動化が必要です。
ASCMO-SDK (Software Development Kit)
ASCMO-SDKは、ASCMOとMATLAB®とのインターフェース接続を提供します。これにより、コマンドラインやスクリプトを使用してASCMOを遠隔制御したり、ユーザー定義の機能をASCMO環境に統合したりすることができます。そのため、あらゆる種類の可視化、データ処理、モデリング、および最適化のためのアルゴリズムを統合できます。このインターフェースにより、自動化されたテストベンチへの接続も可能になります。