INCA V7.1 Service Pack (サービスパック)1

機能一覧

  • XCP on Ethernetを使用したECUフラッシュ書込み
  • XCPを使用したフラッシュ書込み: PROGRAM_CLEARコマンドにはタイムアウトを設定可能
  • エミュレーションRAMが限られているECUの最適化
  • ODX-LINK: World-Wide Harmonized On-Board Diagnostics(WWH-OBD、ISO 27145)を新たにサポート

XCP on Ethernetを使用してECUフラッシュ書込み

XCP on Ethernetプロトコルを使用して、ECUの計測・適合だけでなくECUフラッシュメモリの書込みも行えるようになりました。

XCPフラッシュ書込み: PROGRAM_CLEARコマンドにはタイムアウトを設定可能

ECUのフラッシュメモリに新規のコードおよびデータを書き込む前に、フラッシュメモリの古い内容を消去します。そのために、XCPはPROGRAM_CLEARコマンドを提供しています。フラッシュメモリの内容消去には、XCPにより定義されている65533msというタイムアウトの限界より長い時間がかかる可能性があります。このコマンドでは、ProFフラッシュシーケンスでINCAにこのタイムアウト限界の代わりに使用させるタイムアウト値をパラメータとして入力できるようになっています。

エミュレーションRAMが限られているECUの最適化

マイクロコントローラによっては、ワーキングページに含まれている適合データ全体を格納するのに十分なエミュレーションRAMが搭載されていない場合があります。そこで、ユーザーにより選択された適合ラベルに基づいてエミュレーションRAMのアロケーションを自動的に処理するインテリジェントなメカニズムがINCAに備えられました。エミュレーションRAMの使い方が改良されて、必要なくなったエミュレーションRAMは自動的に解放されるようになりました。これにより、使用可能なエミュレーションRAMに収容できる最大限の数の適合ラベルを使用できるようになりました。

ODX-LINK: World-Wide Harmonized On-Board Diagnostics(WWH-OBD、ISO 27145)を新たにサポート

INCAのODX-LINKというECU診断用アドオンが、ISO27145に基づくWWH-OBD(World-Wide Harmonized On-Board Diagnostics)もサポートするようになりました。これは主にMY2014 Euro-VIの商用車および大型車に適用されます。

すべてのWWH-OBDデータをECUからリクエストして、INCAの実験環境内のインストゥルメントを使用して表示し、

記録してMDFファイルに保存することができます。さらに、ODX-LINKのODXデータベースが新しくなり、最新バージョンのSAE J1979-DAおよびJ2012 DTC(Diagnostic Trouble Code)リストをサポートするようになりました。