INCA V7.2 Service Pack(サービスパック)3

機能一覧

  • 変数選択ダイアログボックスのフィルタ機能で新しいLABフォーマットをサポート
  • ASAP3による、INCAオプションの取得・設定とステートの取得
  • ProFによるDiagnostic over IP(DoIP)フラッシングのサポート
  • マルチラスタ-XCPとCCPをサポート
  • Key Variable List(主要変数リスト)がブラックリストとして使用可能に
  • ASAP2コンテナが構造化されたZIPコンテナの形式でECUディスクリプションファイルを転送
  • Service Packインストーラでダウングレードが可能に

変数選択ダイアログボックスのフィルタ機能で新しいLABフォーマットをサポート

新しいLABファイルフォーマットではファンクション/グループ単位で変数を扱うことができます。これらのファンクションとグループを選択すると、すべての信号が実験とレコーダに追加されます。

任意のLABファイルにはラスタ情報が含まれていて、デフォルトの選択内容として変数選択ダイアログボックスに提示されます。

マルチラスタ情報もサポートされています。

ASAP3による、INCAオプションの取得・設定とステートの取得

テストベンチが想定外のINCAオプション設定でテストを実行した場合、そのテストの結果は意味がありません。有益な結果を得られないテストの実行を防ぐために、テストベンチではテスト実行前にオプションを確認する必要があります。

このような想定外の設定を確認するためのオプションが、"AddAllMeasurements"オプションや"Difference Counter"オプションなどです。

"AddAllMeasurements"オプションがセットされていると、INCAは実験からすべての計測データをiLinkRTTM ComServerにも自動的に送信します。その場合、テストベンチスクリプトはそのスクリプトにより計測値を追加するタスクを省略することができます。後になって計測パラメータを使用することができないという事態を防ぐために、このオプションがそれぞれセットされていることを計測中に確認することができます。

"Difference Counter"オプションがセットされていると、テストベンチスクリプトは、ワーキングページ(WP)のすべての値がリファレンスページ(RP)の値にリセットされているかどうかを確認することができます。こうして、テストベンチドライバーの手作業による変更有無を見つけることができます。

INCAはこの機能を、COM-APIまたはASAP3アクセスでしました。

オプション(読み取り/書き込み)

  • MCE: AddAllMeasurements
  • MCE: AddAllCalibrations
  • ASAP3: AddAutomaticallyToFuliDevice
  • HWC: Measurement failure behavior *)
  • HWC: Connection behavior *)

ステート(読み取りのみ)

  • EXPERIMENT: ConnectionInterruptBehavior
  • HWC: GetDifferenceCounter
  • HWC: CheckOfState
  • HWC: BaudRate
  • MEMORYPAGE: EPK (EPROM Kennung、またはEPROM識別子)
  • MEMORYPAGE: Checksum

*) ASAP3は読み取りアクセスだけをサポートしています。

ProFによるDiagnostic over IP(DoIP)フラッシングのサポート

INCAフラッシュ書き込みツールProFは、静的IPアドレスが割り当てられているECUについて、ISO13400-2に基づくDoIPフラッシング(UDS on Ethernet)をサポートします。

DoIP ProFコンフィギュレーションのコンフィギュレーションファイル(CNF)には、DoIPに関する3つの新しいパラメータが必要です。(DOIP_IP_ADDRESS、DOIP_SOURCE_ADDRESS、DOIP_TARGET_ADDRESS)

マルチラスタ – XCPとCCPをサポート

マルチラスタサポートが拡張されて、シリアルプロトコル(XCP、CCP)にも対応します。INCAは、一部のラスタがデータを送信しないときにも計測値を更新します。たとえば、エンジンが停止しているときには速度同期ラスタから信号は送信されません。

Key Variable List(主要変数リスト)がブラックリストとして使用可能に

一部の信号を除くすべての信号を記録したい場合は、「ブラックリスト」が便利です。ブラックリストを使用して、INCAは、ブラックリストに登録されている信号を除いて、関連するECUからすべての信号を追加します。実験から信号を削除するかどうかをコントロールできます。

ASAP2コンテナが構造化されたZIPコンテナの形式でECUディスクリプションファイルを転送

ECUディスクリプションファイル転送時のミスマッチを防ぐために、ASAP2コンテナでは関連するすべてのファイルを構造化されたZIPコンテナの形式で取り扱うことができます。

Service Packインストーラでダウングレードが可能に

INCA V7.2 Service Pack 3から、インストーラはすでにインストールされているバージョンとこれからインストールしようとしているバージョンとを自動的に比較し、その比較結果に応じてアップグレードまたはダウングレードのオプションを表示します。

ダウングレードを行うためには、旧バージョンの当該サービスパックが使用可能でなければなりません。基本ソフトウェア、サービスパック、ホットフィックスのアップグレードとダウングレードが可能です。