ES582モジュールはUSBインターフェース経由でPCやノートパソコンに接続され、電源はPCやノートパソコンから供給されます。インストールも設定も簡単です。
測定データはES582モジュールに記録されます。記録されたデータは、INCAのその他の制御装置と測定モジュールによる信号より高精度に同期されます。さらに、フラッシュメモリーのプログラミングや車両電子装置の診断も、ECUパラメタのINCAソフトウェアキャリブレーションと同時に、ES582モジュール上で可能です。
CAN FD SIC(信号改善機能)
CAN FD SIC(可変データレートとSICトランシーバ機能を持つCAN)は、CANと下位互換性を持つ改良型のCANプロトコルで、Bosch社により開発されたものです。CANとの主な違いは、8バイトから64バイトのメッセージ毎のユーザーデータ拡張と最大8Mbit/秒という転送速度にあります。CAN FD SICでは、自動車業界のネットワーク用のより高いバンド幅の需要に対応しています。同時に、CAN FDノードは既存のCANのインフラにも簡単に統合できます。
利点
- コンパクトで手頃な価格のPC用CAN FD SICバスインターフェース(x2チャンネル)
- ISO準拠版とISO非準拠版(CAN FD V1)のCAN FDプロトコルの両方に対応
- 各CANチャネル接続用のY字ケーブル同梱
- USBポートを使いホストコンピューターに簡単かつ直接接続
- フラッシュプログラミング、測定データの記録、測定装置のキャリブレーションや診断用に最適
- INCAに統合
- CANインターフェースとホストコンピューターとは電気的に絶縁
CAN FD対応のES582モジュールは、従来型のCANおよびCAN FD環境の両方における様々な用途に適したツールです。例えば、車両内のCANに診断用コネクタ経由で接続も可能です。モジュールは、CCP、XCP、KWP-on-CANやUDSのようなINCAが使用するあらゆるプロトコルに対応しています。CCPやKWP-on-CANプロトコル (ISO14230 / ISO15765)に関しては、従来型のCANモードのみで対応しています。
ODX-LINKが搭載された車両診断モジュールの検証において、CAN上でOBD用インターフェースとして制御装置診断用INCAアドオンを使用可能で、診断トラブルコード(DTCs)を読み取り、解除できます。この場合、別途診断サービスツールは不要です。ES582モジュールは、車両診断とフラッシュプログラミング用のオープンSAE J2534規格のパススルーインターフェースを提供しています。