ES584 – CAN FDおよびLINバスインターフェースUSBモジュール

ES584は、CAN FDとLINのバスチャンネルを備えた、コンパクトで手頃な価格のインターフェースです。このモジュールは、CAN FDバスおよびLINバスまたは車載ECUをPCまたはノートパソコンにUSBで接続し、接続されたPCまたはノートパソコンを電源として使用します。ドライバさえインストールすれば、接続と設定は、典型的なUSB装置と同様で簡単です。

ES584モジュールはCAN FDやLINインターフェース経由で測定データを記録することができます。この情報は、INCAで、他のECUや測定モジュールからの信号と極めて正確に同期化されます。さらに、ES584モジュールをINCAソフトウェアと連動させることで、ECUパラメータの適合やフラッシュメモリの書き込み、また車載エレクトロニクスの診断実行も可能です。

CAN FD

CAN FD(CAN with Flexible Data Rate: データ転送速度がフレキシブルなCAN)はBOSCHがCANを改良して開発した、後方互換性のあるプロトコルです。CANとの主な違いは、メッセージあたりのペイロードデータが8バイトから64バイトに増えたこと、伝送速度が最高8 Mbit/sに上がったこと、また検証チェックチェックサムが長くなり伝送の信頼性が高まったことです。CAN FDは、ネットワークの帯域幅の増加を求める自動車業界のニーズに応えます。さらに、CAN FDノードは、既存のCANインフラストラクチャに簡単に統合することができます。

利点

  • ISO準拠版とISO非準拠版のCAN FDプロトコルに対応
  • LINのマスタモードとスレーブモードに対応
  • CAN FDチャンネルとLINチャンネルを同時に接続できるY字ケーブルが付属
  • USBポートを使ってホストコンピュータに直接、簡単に接続
  • フラッシュプログラミング、測定データの記録、適合、およびECUの診断用に最適
  • INCAと完全に適合
  • CAN-FDおよびLINインターフェースをホストコンピュータと電気的に絶縁して高電圧保護を実現

CAN FDに対応しているES584モジュールは、従来型のCANとCAN FDの両方の環境におけるさまざまな用途に適したツールです。たとえば、診断サービスポート経由で車両CANに接続することができます。このモジュールは、CCP、XCP、KWP-on-CAN、UDSなど、INCAで使用されるあらゆるプロトコルに対応しています。CCPおよびKWP-on-CAN(ISO 14230/ISO 15765)のプロトコルについては、従来型のCANモードのみで対応しています。

ES584モジュールのLINインターフェースはスレーブモードでもマスタモードでも使用できます。

車両診断機能の評価には、このモジュールをECU診断用のINCAアドオンODX-LINKと連動させて、OBD-on-CAN用および診断トラブルコード(DTC)読み取り・消去用のインターフェースとして使用することができます。その場合、診断サービスツールを別途用意する必要はありません。ES584モジュールには、車両診断やフラッシュプログラミング用に、オープンな SAE J2534準拠のパススルーインターフェースが含まれています。