INCA-RDE – 実路走行排気

INCA-RDE(Real Driving Emissions: 実路走行排気)は、実路走行排気(RDE)計測データの状態をテストドライバーがリアルタイムに追跡し、監視することで、RDE計測データの値が法定限度内であることを確認することができます。

システム開発の概要図

INCAにシームレスに統合されているので、車載計測、制御装置の適合、診断といった専門業務を使い慣れた作業環境と同じ環境下でRDE試験を実施することができます。

制御可能かつ再現可能な方法でRDE運転試験を実施することができるINCA-RDEは、INCAアドオンとして利用し、RDE排気を効率的に算出してECUからの信号と相関させることができます。このため、テストエンジニアは運転試験中に表示されるRDE計測データを監視しながら評価運転試験を実施することができます。

ES59x汎用インターフェースモジュールを使用すると、INCA-RDEソフトウェアツールをCAN経由で車載型排ガス計測システム(PEMS)に接続することができます。INCA-RDEは、排ガスの計測データだけでなく、PEMSによって収集されるOBDデータやGPSデータも同様にオンラインで評価します。INCA-RDEでは、車両ダイナミクスの状況を確認するために、“moving averages”(EMROAD)および“ratings per performance class”(CLEAR)というメソッドを選択して使用することが可能です。分析の結果、つまり、実際のRDEデータは、INCA実験環境内のRDE固有ツールに表示されます。さらに、このデータはINCA によって10ミリ秒ごとにエンジン制御装置からの信号と同期して記録されます。

機能一覧

  • PEMS信号からRDEデータをリアルタイムに算出
  • 時刻同期を行いながらRDEデータとECU 信号を収集
  • PEMSハードウェアにCAN経由で接続
  • RDE専用のINCAツールに以下を表示
    • 都会/地方の一般道/高速道路の走行に対応するルート/時間区分
    • 排ガスの移動平均値
    • 環境条件とエンジン条件
    • 排ガスセンサからの生信号
    • 排ガス計測の開始、GPSデータおよびPEMSの状態

利点

  • RDE計測データの状態について、直ちにテストドライバーにフィードバック
  • RDE要件に対応できるかどうかを車載試験進行中に推定
  • さまざまなメーカーのPEMSハードウェアに適合