機能一覧
- ProFによるフラッシュプログラミング – バイナリデータの読み書き
- CAN FD – ISOモード / non-ISOモードの切り替え
- XCP V1.3に対応
- XCP -ダイナミックDAQリストを用いたクイックスタート時にもレジュームモードをサポート
- 新製品「ES892 ECU/バスインターフェースモジュール」に対応
- 演算シグナル(INCA/MDA)- 信号値分析用の新しい演算式を追加
- MDA - 変数選択ダイアログボックスに新しい変数フィルタを追加
ProFによるフラッシュプログラミング – バイナリデータの読み書き
INCAに含まれるProFプログラミングツールに、ファイルやProF文字列変数に対してバイナリデータの読み書きを行うための以下のコマンドが追加されました。
- GET_STRING, GET_STRING_FILE, SET_STRING, SET_STRING_FILE
これらにより、たとえばProFコマンドUDS_TRANSFER_DATAやUDS_PASS_THROUGHを使用してバイナリファイルのデータ(指紋データ、セキュリティキー、フラッシュ書き込みデータなど)をECUに転送することができます。
また以下のようなコマンドも追加され、ECUからの最新の応答を取得することが可能になりました。
- UDS_MSG_RET_GET, KWP_MSG_RET_GET, CCP_MSG_RET_GET, XCP_MSG_RET_GET
CAN FD - ISOモード / non-ISOモードの切り替え
Bosch CAN FDプロトコルV1.0をISO 11898-1に統合する段階において、故障検知機能が強化され、CRCフィールドの内容が変更されました。これらどちらの仕様にも対応できるよう、ES523 CAN FDインターフェースモジュールの各チャンネルについて、動作モード(ISOモードまたはnon-ISOモード)を個別に選択することができるようになりました。
XCP V1.3に対応
すべてのハードウェア(旧タイプのハードウェアES590、ES591、ES690 を除きます)についてASAM XCP V1.3通信プロトコルが使用できるようになりました。トランスポート層としてはCAN、CAN-FD、FlexRay、イーサネットが使用できます。
XCP V1.3に対応してINCAに追加された機能には、以下のようなものがあります。
- XCP V1.3の新しいAML仕様に対応し、XCP V1.3準拠のASAP2ファイルの読み取りが可能
- XCP V1.3のエラーコードとエラー処理に対応
さらに、ダイナミックラスタの状態チェックをする際に、以下のようなECUのリソース消費量を計算できるようになりました。
- マルチコアECUの各コアの演算負荷
- RAM消費量
XCP -ダイナミックDAQリストを用いたクイックスタート時にもレジュームモードをサポート
XCP通信において、ダイナミックDAQリストを使用する場合でも、XCPパケット内の識別フィールドタイプが ”absolute ODT number”であれば、 レジュームモードが使用できるようになりました。これはすべてのトランスポート層(CAN、CAN-FD、FlexRay、イーサネット)に適用されます。
新製品ES892 ECU/バスインターフェースモジュールに対応
INCAはETASの新世代ハードウェア「ES89x ECU/バスインターフェースモジュール」に対応しています。これらのモジュールによって複数のECUの計測・適合や診断、フラッシュプログラミングが行え、さらにはECUのプロトタイピングに利用することもできます。
ES892の機能:
- 高速データ通信と低遅延の実現
- ギガビットイーサネットポートでPCなどのホストデバイスに接続
- 複数のECUと車両バスへの同時アクセス
- 各種ECUインターフェースとバスシステムに接続可能
FETK/ギガビットイーサネットx 2、ファーストイーサネット x 1、CAN / CAN FD x 5、LIN x 1 - 複数のES8xxモジュールを縦に接合してコンパクトなモジュールブロック(例: ラピッドプロトタイピング用シミュレーション機能と計測データのロギング機能を併せ持つブロック)を構築することが可能
INCA V7.1 SP10では、それぞれFETK-Sインターフェースを取り付けた2台のECUに対して同時に計測・適合や診断、フラッシュプログラミングを行うことができます。次のINCAサービスパックでは、ES89xのすべての機能がサポートされる予定です。
演算シグナル(INCA/MDA)- 信号値分析用の新しい演算式を追加
MDAとINCAでは、値の演算式を任意に定義できる「演算シグナル」を作成して通常の測定シグナルと同じように扱うことができます。この演算式に利用できる「カスタム演算式」のライブラリに、便利な演算式(ローパスフィルタなど)が数点追加されました。
MDA - 変数選択ダイアログボックスに新しい変数フィルタを追加
MDAの変数選択ダイアログボックスで変数を選択する際には、変数フィルタ(「アナログ」、「デジタル」、「イベント」)を使用して目的の変数を素早く見つけることができます。ここに、変数の使用状況に応じて表示を切り替えるためのフィルタが追加され、使用済みの変数、未使用の変数、またはその両方を表示することができます。