計算負荷の大きいバイパスアプリケーションのための高性能リアルタイムプロトタイピングターゲット
ES800プロダクトファミリのETAS ES830ラピッドプロトタイピングモジュールは、ECUと車両電子システムの開発と妥当性確認のための強力な実験プラットフォームです。実験室内の実験であっても実車実験であっても、マルチECU/マルチコントローラのアプリケーションをシミュレーションモデルと組み合わせて実行することができます。ECUメーカーを巻き込んで手間と時間のかかるECUソフトウェアの書き換えや調整を行う必要がありません。
最も際立った特長は、ECUファンクションのラピッドプロトタイピングに加え、ECUの計測と適合も並行して実行できることです。ES830はマルチコアプロセッサを搭載し、低レイテンシと低ジッタを実現しています。ETKまたはCAN/CAN FD、FlexRay、LINなどの車載バスを使って最大3台のECUとの通信が可能です。
モデル化されたソフトウェアファンクションの早期検証および確認により開発品質が向上し、開発時間およびコストが削減されます。
主な機能
- Intel© Core™ i5 プロセッサを搭載したES830プロトタイピングターゲットは、最大3台のECUを対象に計算負荷の大きいバイパスアプリケーションを同時実行できます。
- ES800ファミリインターフェースモジュールと組み合わせることで、様々な拡張が可能となります:ETK-S2x、XETK、FETK、イーサネット、FlexRay、CAN/CAN FD、LIN、2つのギガビットイーサネットポート、ステータス収集のためのI/Oコネクタ
- ES830のマルチプロセッサアーキテクチャがバスおよびバイパス通信による影響を最小限に抑え、高いパフォーマンスを実現
- ETAS RTAファミリのオペレーティングシステムが、完成したファンクションプロトタイプからプロダクション対応のECUソフトウェアへのスムーズな移行を保証
- ウェイクアップとロギングは各種ブラウザのGUIから設定可能
用途
- 研究開発、先行開発、量産開発段階における機能開発
- 実験室やテストベンチでの、あらゆる開発工程における実条件下での制御機能や診断機能の検証
- 実コンポーネントをシミュレーションモデルによる仮想ハードウェアで置き換え
- 計算負荷の大きいバイパスやフルパス実験が可能 ― ECUの機能開発と最適化を実現
特長
- 低いレイテンシとジッタを持つ高性能な処理で、実世界でのテストと妥当性確認を実現
- 1つまたは複数のシミュレーションモデルと組み合わせることで、マルチECUとマルチコントローラアプリケーションを実行
- 数多くのインターフェースと拡張可能なスタックデザインにより、将来性を確保
- 堅牢な「スタック構成」なので、振動や衝撃の激しい実車実験に最適
他のETAS製品との組み合わせ例
ETASプロトタイピングソリューションの中心となるのが、ETAS ES830ラピッドプロトタイピングモジュールです。
ETAS EHOOKSと共に使用することで、開発者はソフトウェアの詳細を気にせず、直接ECUソフトウェアのHEXファイルやA2Lファイルにバイパスフックを挿入することができます。ソースコードやECUソフトウェアのビルド環境にアクセスする必要はありません。ETAS ASCETまたはMATLAB®/Simulink® で開発されたファンクションプロトタイプの統合とバイパスの設定はETAS INTECRIOで行われるので、開発時の自由度がより向上します。ECUとES830はETKで接続され、ES890製品ファミリとETKはバスインタフェースモジュールで接続されます。ES890は、車載バスおよびETASの各種計測モジュールとの接続も可能です。新しい制御、統制、診断機能の検証はETAS INCAを使用することで、実条件下でリアルタイムに、低レイテンシで行われます。
ES830のマルチプロセッサアーキテクチャが、バスおよびバイパス通信による性能への影響を最小限に抑えます。ETAS RTAファミリのオペレーティングシステムにより、完成したファンクションプロトタイプからプロダクション対応のECUソフトウェアへのスムーズな移行を実現します。