ES922 – CAN FDモジュール

ES922 CAN FDモジュールをES910.3モジュールの拡張スロットに差し込むことで、小型ES910プロトタイピング/インターフェースモジュール用のCAN FDインターフェースを2つ増設することができます。
ES922 – CAN FDモジュール

増設した2つのCANインターフェースは、個別に高速または低速のCANバス用に設定できます。このモジュールは、CAN FDインターフェースとして使用する場合は高速バスだけをサポートします。高速バスはTJA1044Gトランシーバ経由で接続され、低速バスはTJA1055トランシーバ経由で接続されます。

このモジュールは ISO準拠版とISO非準拠版のCAN FDプロトコルをサポートしています。

ラピッドプロトタイピング実験を行うために、INTECRIOとCAN FD-I/OファンクションまたはXCP-on-CAN FDバイパスファンクションを使用してECUバイパスを構成することができます。ES922モジュールによって増設した2つのCAN FDインターフェースを使用することで、ES910モジュールのプロトタイピングファンクションを車載ネットワーク内のさらに2つのCANバスに接続することができます。

測定・適合を行うために、INCAとES922 CAN FDインターフェースを使用して車載バスからデータを収集することができます。INCAのバージョン7.2.6以降では、ES922モジュールを用いる測定と適合をサポートしています。たとえば、ES910モジュール経由でCAN FDバイパスに接続されているECUをINCAで適合することができます。

CAN FD

CAN FD(CAN with Flexible Data Rate: データ転送速度がフレキシブルなCAN)は、BOSCHがCANを改良して開発した後方互換性のあるプロトコルです。CANとの主な違いは、1メッセージあたりのペイロードデータが8バイトから64バイトに増えたこと、伝送速度が最高8 Mbit/sに上がったこと、またチェックサムが長くなり伝送の信頼性が高まったことです。CAN FDは、ネットワークの帯域幅の増加を求める自動車業界のニーズに応えます。さらに、CAN FDノードは、既存のCANインフラストラクチャに簡単に統合することができます。

特長

  • ES910.3用のCAN拡張モジュール
  • 電気的に絶縁された2つのCAN FDインターフェース
  • TJA1044Gトランシーバで高速CANバスに接続、またはTJA1055トランシーバで低速CANバスに接続
  • ボーレートは最大5 MBd(CAN FD)、最大1 MBd(高速CAN)、または最大125 kBd(低速CAN)
  • ISO準拠版とISO非準拠版のCAN FDプロトコルをサポート
  • FPGAベースのCAN/CAN FD通信コントローラ
  • フロントパネルのLEDがCAN FDの通信状態を表示
  • 高速CAN/CAN FDバス経由のウェイクアップ機能
  • INCAとともに使用可能